Gesanmedo ――Tibetan Highlands Elementary School Construction Fund NPO

 

・ボゥナン(保安)族 ・

 ボウナン族は、総人口1万2683人(1990年)で、トンシャン族と隣接して居住しており、現在では、甘粛省の積石山の山麓に位置する臨夏回族自治州積石山ホウナン族トンシャン族サラール族自治県が居住地域である。その祖先が数百年前に青海省同仁県の保安城に住んでいたためボウナンと自称しているのである。ボウナン族は、宗教・信仰、風俗・習慣が周辺に居住する回族にたいへん似ているため、かつてはボウナン回とも呼ばれた。彼らは独自の言語を持っているが、文字は持たず、漢字を日常的に使用している。元・明両王朝時代、イスラム教を信仰していたモンゴル族の一群や、周辺に居住する回族、漢族、トゥー族と融合し、しだいにボウナン族が形成されていった。当地のモンゴル族やチベット族の抑圧に絶えきれず、青海省保安城から東へ移動し、前述の甘粛省積石山の山麓に移住した。そこで家屋を建てて集落を築き、定住したが、集落名称は、やはり青海省に居住していた時代に使っていた大激、梅披、乾河灘、保安三荘の名称をそのまま使用した。

 ボウナン族は、農業や放牧を兼業する以外に、男性は商業にたけている。商業活動は居住地域周辺に限らず、速くチベットやインドまで向かう。仕入れて運搬する商品には、革製品、古美術、珊瑚、刀槍、布、薬、茶葉などがある。資本は豊富で、商店と商品交ちん易の集中する鎮は、西北地区貿易と商品流通の中心となっている。手工業では保安腰刀づくりが有名である。ボウナン族は高度な鋳造技術を持っているため、ボウナン族の刃物は鋭利で耐久性にすぐれ、見た目も精巧で美しく、携帯に便利である。このことから保安腰刀は、現在では一種の独特な民族伝統工芸品となり、国内外に売り出されている。

『中国少数民族事典』(東京堂出版 2001年)

写真は「中国各民族」中国民族撮影芸術出版社による


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――――BBC世界の屋根探険会 烏里 烏沙 制作・2003年3月8日――――