Gesanmedo ――Tibetan Highlands Elementary School Construction Fund NPO

 

・トゥー(土)族 ・

 トゥー族は、青海省の互助、民和、大通、同仁などを中心に、いくつかの県内に居住し、また一部は甘粛省の天祝、卓尼、永登の諸県で暮らしている。総人口は19万2568人(1990年)である。トゥー族の言語はモンゴル語によく似ており、互助、民和、同仁の三大方言に大きく分けられる。現在の言語には、漢語、チベット語の語彙が多数含まれている。多くの人々は、漢語、チベット語を兼用し、漢字、チベット文字を使っている。1980年代、ラテン文字を基礎として、漢字の表音文字を字母とした形式の文字を創造し、それぞれの方言区域で新しい文字の普及を推進したが、あまり効果はなかったようである。

 トゥー族は、かつては蒙古爾、蒙古爾孔、モンゴル族と区別する場合はツァハン蒙古爾と自称した。チベット族はトゥー族をホルと呼び、トゥー族の間では、祖先はモンゴル人と現地のホル人が結婚したことが起源となったとする伝説を持っている。ホルは4〜7世紀現在の青海省に勢力を持った国吐谷渾の一集団であり、西晋時代末、遼東の鮮卑系の部族に源を発している。彼らは甘粛省や青海省まで西へ移動し、当地の先住部族を征服し、吐谷渾国を建てた。

 吐谷渾国はのちに吐蕃王国に滅ぼされたが、一部の人々はチベット族に溶け込み、浄水流域に居留して、その地の吐谷渾人やモンゴル族、漢族と雑居し、融合するなかで、兄王朝末期から清王朝初期にかけて、徐々にトゥー族を形成したのである。そのため、現在トゥー族には少なからず吐谷渾の旧習が残っており、それが出自の明らかな証拠となっている。トゥー族が兄王朝末期・清王朝初期の頃、徐々に形成されたと考えられている。トゥー族の多くは山間支谷沿いに集落を形成し、ハダカムギ、アワ、コムギなどを栽培する農業が生業の中心となっている。家屋の構造は、付近の漢族の農家と同じ土間式の瓦葺き屋根である。トゥー族は、かつてはシャーマニズムを信仰していたが、現在はチベット族の宗教文化の影響を受け、一般的にチベット仏教(ラマ教)を信仰している。寺院はトゥー族地域には多数あり、各家ごとに仏壇・仏像を供え、仏に向かい経を上げるという宗教活動は、農民の生活には欠かすことのできないものとなっている。なおトゥー族の一部は、周囲に居住するチベット族と同様に、半農半放牧の生業に従事しており、羊毛を使って衣服をつくり、チンクームギや乳製品を食べ、礼帽を被り、長衣を着てベルトを締めている。女性は刺繍が得意であり、とりわけ女性が着ているカラフルな布でつくった長袖の長衣は、目を見張るほど艶やかで美しく、西北中国の少数民族のなかでは際立っている。なお「トゥー」は漢語で「土族」と表記するが、湖南省などに居住するトゥチャ族(土家族)とはまったく異なる民族である。〔索〕

『中国少数民族事典』(東京堂出版 2001年)

写真は「中国各民族」中国民族撮影芸術出版社による


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――――BBC世界の屋根探険会 烏里 烏沙 制作・2003年3月8日――――